サーフェイサー

この記事で解決できるお悩み

パーツの傷をならしたり、パーツの面を出したり、塗装前に行う表面処理。

  • どこまでやればいいのか?
  • 失敗していないか?

わかりませんよね。

塗装直前の表面処理は、サーフェイサーで仕上げます。

一般的にサーフェイサーは、グレーに着色されています。
キットの色合いをグレーに統一すると、立体感をつかめやすくなり、ヤスリ傷が見つけやすくなります。

また、ごく浅い傷はサーフェイサーが埋めてくれるので、表面処理の時短につながります。

この記事では、手間はかかるけどメリットの多い下地塗装「サーフェイサー」の効果について解説します。

この記事を読めば、プラモデルの下地塗装について理解することができ、プラモデル塗装の基礎が身につきます。

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サーフェイサーって何?

サーフェイサーで塗装したパーツ

サーフェイサーは塗装前の下地剤です。

一言で説明すると、溶きパテをスプレーで吹くようなもので、微粒のパテと塗料の定着剤で作られています。

サーフェイサーを塗装する一番の目的は、プライマー効果として塗料の食いつき(定着)を高めて、塗料を剥がれにくくすることです。

そのため、多くのモデラーが表面処理の仕上げとしてサーフェイサーを塗装しています。

サーフェイサーの種類

サーフェイサーのスプレーと瓶

サーフェイサーは2種類あります。

  • お手軽に使える缶スプレー
  • エアブラシで吹く瓶入りタイプ

お試しするならスプレータイプが便利ですが、長くプラモデルを楽しむならコスパのいい瓶入りタイプがオススメです。

ラッカーと水性の2種類の溶剤が販売されており、塗装環境や塗装方法に合わせて商品を選ぶことができます。

ホワイトサーフェイサーとベースホワイトの違い

白の下地剤にホワイトサーフェイサーとベースホワイトというものがあります。

どちらも粒子の大きさが同じで一見すると同じような商品に見えます。
しかし、ホワイトサーフェイサーとベースホワイトはそれぞれ効果に違いがあります。

ホワイトサーフェイサーは、グレーのサーフェイスと同じで樹脂の割合が多く、塗料の食いつきをよくする下地剤として使用します。

一方、ベースホワイトは顔料の割合が多いため隠蔽力が強く、濃い色のパーツを薄くする効果があります。

僕は基本的にホワイトサーフェイサーを使っていますが、ホワイトの隠蔽力が弱いと感じるとき(黒立ち上げのグラデーション塗装をするとき)にベースホワイトを使用しています。

サーフェイサーの4つのメリット

サーフェイサーで傷を見つける

一手間増えるサーフェイサーの下地塗装には、手間をかけた分だけのメリットがあります。

サーフェイサーの4つのメリット

  1. 傷を見つけやすい
  2. 塗料の食いつきをよくする
  3. 異なる素材の質感を整える
  4. 光の透過率を抑える

それぞれのメリットを解説します。

傷を見つけやすい

グレーのサーフェイサーの特徴は、立体感を増やしてヤスリ傷を見つけやすくします。

発見した傷はヤスリでならしたり、パテや瞬間接着剤で消したりして、再度パーツ表面を整えます。

チェック後に問題なければ、下地処理完了です。

塗料の食いつきをよくする

サーフェイサーには、微粒のパテ成分と定着剤が混合されています。

サーフェイサーは滑らかな表面のプラモデルにも定着しやすく、サーフェイサーの上から重ねたラッカーなどの塗料も剥がれにくくします

異なる素材の質感を整える

プラモデルはパテを盛ったり、プラ板を貼ったり、パーツ表面にプラモデルの樹脂と異なる材質のものを貼り付けることがあります。

色や異なる材質の上から塗料を吹きかけると、塗料を透かして加工の様子がバレてしまいます。

そうしたパーツ表面の状態をリセットするため、隠蔽力の強いサーフェイサーで下地処理を行います。

光の透過率を抑える

プラモデルの樹脂は光の透過率が高いため、組み上げただけではオモチャっぽい感じが拭えません。

サーフェイサーは隠蔽力の強いパテを含んでいるため、光の透過率を抑える働きがあります。
キットのオモチャ感をなくし、重量感を与えるためにサーフェイサーを使用します。

サーフェイサーのデメリット

手間はかかる分メリットの多いサーフェイサー。
メリットだけを聞いていると、「とりあえずサーフェイサーを吹いておこう」と考えるモデラーはたくさんいます。

しかし、サーフェイサーにもデメリットがあります。

サーフェイサーのデメリット

  1. 手間がかかる
  2. 塗装面が分厚くなる
  3. パーツの合いがキツくなる

手間がかかる

プラモデルの塗装は、薄く何度も吹き付けるのが基本です。

隠蔽力の強いサーフェイサーと言えども、一度で色が乗ることはありません。

根気よく薄く2〜3回程度はパーツにサーフェイサーを吹き付ける必要があります。
そのため、1工程といえどもかなりの手間がかかります。

塗装面が分厚くなる

プラモデルの塗料は、下地の影響を受けます。

特に隠蔽力の低い赤や黄色の塗料を発色させたいときは、下地に白や薄いピンクなどの下地塗装を行わなければならず、サーフェイサーを吹くと無用に塗装面が分厚くなることがあります。

塗装面が分厚くなることを避けるため、あえてサーフェイサーを吹かないという選択も必要です。

パーツの合いがキツくなる

サーフェイサーを吹くと塗装面が分厚くなるため、パーツ同士の合いキツくなります。

キツくなった合いは、塗装が剥がれることで徐々に緩和されますが、キツくなった際に広がったダボ穴などは元に戻りません。
その結果、今度はパーツの合いがゆるみ、関節がぷらんぷらんになることも。

サーフェイサーを吹くときは、関節など保持力が落ちると困るところには塗装しない方が無難です。

サーフェイサーは必要?

サーフェイサーを吹いたパーツ

サーフェイサーにもデメリットがあるため、必ず塗装しなければいけないということはありません

サーフェイサーを塗装する第一目的は、塗料の食いつき=定着率を高くすることです。
また、ヤスリ傷などを発見してキットの仕上がりを良くするために使います。

こうした目的のないとき、または塗装面が分厚くなりモールドが消えそうなときはサーフェイスの使用は控えましょう。

まとめ

プラモデルの下地塗装の基本「サーフェイサー」について解説しました。

サーフェイサーは、パテ成分を含んだ塗料の定着剤です。

サーフェイサーをプラモデルの表面に塗装すると、質感が統一されて傷などの下地処理のミスを発見しやすくなります。

メリットがたくさんあるサーフェイサーですが、塗装の手間が増え、見栄えに悪影響を与えることもあります。

サーフェイサーを塗装する前は、塗装計画を立てて、塗装する順番と塗料を選んでから塗装するように心がけましょう。